気になったニュースめも
ささやかな一人旅
一人旅って、みんなたくさんしたことあるのだろうか。
私はもっとしておけばよかったと思うくらい経験がなくて、
どっちも瀬戸内海付近に行ったなあ、という二回だけ。
直島・豊島に1人で行ったのと、尾道と大三島・大久島に行ったのの二回(後者は半一人旅)。
守られたところで、穏やかな空気がふわふわと流れる感じ。
見渡す先の海にも、きちんと人の気配があって、良くも悪くも変わらない感じがしっとり感じられるところ。
一人で行くと、寂しい瞬間ももちろんあるけれど、
一つ一つの出来事や景色がいつも以上に立体的に、印象的になると思う。
この夏、尾道の海辺で一人でのんびりしていた時に、
急に話しかけてくれたおじいちゃんがいて。
私は、しまなみ海道の島々を結ぶ島の人たちの交通手段である運搬フェリーをぼんやり見ていたのだけど。
「どっから来たの〜?東京〜?いいねえ、ゆっくりできるだろうから、日頃の疲れを癒していきなよ〜。そうだ、あのフェリー、僕が何て呼んでいるか分かる?聞いてくれる?島の横断歩道って呼んでてねえ、良い名前だろう?」
「ちなみにあのフェリーは、この近くの乗り場よりも奥の乗り場の方が50円くらい安いから、奥に行った方が良いよ〜。旅行に来た人も乗る人もいるんだ。乗るときは、船の右側にある、2階に上がる外付けの階段に腰掛けて、ビールを片手に乗ると最高だよ〜。あ、それで絶対ツマミは買ったらダメだよ。何でだか分かるかい?・・潮風が最高のツマミになるからさ!(満面の笑み)」
「そこから見る夕日はね、本当に旅行で来た人たちは感動するんだよ〜。それに感動しなかったら女やめた方がいいね!お嬢ちゃん行ってみな、女かどうか確かめるためにな〜!(引き続き満面の笑み)」
粋なおじいちゃん。
ただ何の下心もなく、じゃあ楽しんで、と
去って行く後ろ姿、とても素敵でした。
きっと一人じゃなかったら、
こうして話しかけてくれることもなかっただろうなと思うと、
一人でいることで引き寄せることもたくさんあるのだと思うのでした。
ちなみに、もちろん私はおじいちゃんの言う通り、
奥のフェリー乗り場に歩いて(間にコンビニがなくて、ビールを買えなかったのだけが心残り)、
対岸に用はないから往復したいの、と係りのおじさんに声かけて、
旅行で来た人かい、なら何往復でもしていいよ、という優しさに甘えて、
三往復して、しっかり夕日や潮風や生活の香りに感動してきました。
よかった、おじいちゃん、私も女だった。
報告したいなあと思うくらい、ほっこりしたよ。
12月中に、また直島に行こうかなって思っていて、
密かに計画を立てたりしているんだけど。
叶うならいつかは絶対イースター島に行きたい。
一人でも安心させてくれるあったかい場所に、行きたいなあと思うのでした。
一人旅の思い出、自分のものだけにしておくのがもったいないから、少しずつ書いておこう。
でもきっと書き起こしてみると、大したことではないのかもしれないなあ。
一人だからこそ、あったかい人の気持ちに触れると、いつも以上に嬉しいんだろうな。
【映画】君の名は。(いまさら)
今さらなのですが、君の名は。を観てきました。
(プラス神木隆之介くん・・)
何て、恐ろしい程好きな人たちの作品・・と、本当はずっとずっと観たかったはずなのだけど、どうしても不安で、そして意地を張って観に行かなかったのです。
何その気持ち悪い感情と思われるのは重々承知なのですが、観てしまうことで、大好きだった「秒速5センチメートル」の夢(これはもう完全に夢としたか言いようがないくらい気持ち悪い気持ち)が何となく壊れてしまう感じで、ハイパー不安になっていたのでした。
「秒速」は大学生の時に確か観て、気持ち悪いくらい執着して、美しすぎて悲しすぎて一つ一つのシーンを食い入るように観て、最後までどうしようもなくえぐられるように報われない、けど圧倒的な青春・中二病感、でも美しい(2回目)、とにかく衝撃的だったのです。
この映画は「男の夢」「男なら分かる」みたいに言われることが多かったようだけど、そんなこと言う奴らを女だって上書き保存できねえよと横目で睨みつけ、何度も何度も観た、思い出の「秒速」。
そんな、そんな思い入れの詰まった作品と、「君の名は。」は明らかに違う雰囲気を醸し出していて、ネガティブ要素が全然なくて、SFチックな映画だと思っていたから。何となく、映画のイメージに付随して思い出まで変わってしまいそうな気がしたから。
「言の葉の庭」も、最後は前に進むけれど少し物悲しい、雨の降る静かな雰囲気が好きだったのでとても好きで・・。
何より、新海誠監督の言う「愛に至る以前の、孤独に誰かを希求するしかない感情の物語だ。誰かとの愛も絆も約束もなく、その遙か手前で立ちすくんでいる個人を描きたい。」
という、これまた震えるくらい中二感(褒めてます。大好物です。)を感じる制作意図がとても愛おしくて、大切な気持ちで観ていたのです。
だんだん書いていて自分が気持ち悪いなって思ってきた・・けどやめない!溢れる。
「何か色々言っているけど、そろそろ観に行こうよ」と誘ってもらえなければ、流行りに流行ってしまった「君の名は。」を観に行く不安も勇気を持てず意地も捨てきれず、ウジウジしていたままだったと思うから、行ったのですが・・
うう・・2人が会えて本当に本当に嬉しくて、終わった瞬間ずっともうおめでとう!!!!ありがとう!!!!とげっそりするくらい高揚してしまいました。
もう瀧くんと三葉が会えたことと、重ねて「秒速」の貴樹くん(こう呼ばないといけない気がするの)と明里がやっと会えたのねええええええええええええええええおめでとううううううううううと、見終わってすごくぐったりしていた記憶があります。
もちろん終わりに至るまでもちろん好きなシーンもたくさんありました。
RADWIMPSもあまりにも好きすぎて、そもそも開始音楽がかかった瞬間にもう泣いていたけれど。おばあちゃんを担いで行くシーンや、奥寺先輩の圧倒的にな先輩感や、まあとにかくたくさんあるんですけど(ものすごく省略)、とにかく最後がああなってよかったです。
すれ違い続けて会えなくて探しているものが何かも分からなかった2人が会えたことで、貴樹くんと明里も浮かばれたと思うのです。すれ違った瞬間、振り向く前の2人が描かれたときの緊張感が・・蘇る・・。
書きながら疲れてきたのでやめますが、とにかく、浮かばれた。
よかったです。ありがとうございました。最後は雑です。とてもいい映画でした。
監督の「アニメ界に新星現るなんて言われていますが、僕は10年以上アニメを作っていますから・・」みたいな受賞コメントが大好きです。気持ちわるいファンでごめんなさい。
念のため書いておきますが、この中で作品に対して使う「気持ち悪い」は最上級の褒め言葉です。
自分が気持ち悪いくらいぐじゃぐじゃに混乱してタイムワープさせられるくらいかき乱される気持ち悪い!!!!映画です。大好き。
【映画】バクマン。
こんにちは。
ゆっくりできる休日で、天気が良くて、9時くらいに起きて、掃除も洗濯も済ませ、好きな音楽を聴きながら好きな紅茶をポットでいれて。ドキドキするくらい充実している。いや、ドキドキしている。じんわり。
バクマン。を観ました。
バクマン。っていう漫画があることも知らなかったけど、
予告編を観てからずっと気になって、且つ好きな役者さんばかりだったから、絶対観たかった映画。何年ぶりに邦画を映画館で観たのかっていうくらい久しぶりにね。
予告編で感じたワクワクを裏切られない映画!!
リリーフランキーと神木隆之介と小松奈々と山田孝之と染谷翔太と桐谷健太と、このネームだけでお腹いっぱいです私。この映画で初めて佐藤健っていいなって思いました(ごめんなさい)。
サイコー(佐藤健)とシュージン(神木隆之介)の高校生二人組が、ジャンプ連載を目指して、馬鹿らしくて熱くて甘酸っぱくて本気の夢を見る、ようなストーリー。
「マンガは誰かに読まれてこそマンガなんだよ」というサイコーの叔父さん(クドカン)の言葉で、マンガに関わらず何かを創り出す人は報われるのだと思った。手に届いて、誰かの心に触れて、何か少しでも気持ちを動かすことができたら、それは創り手の手を離れ、作品としての価値を生み始めたということで、そんな嬉しいことはないのだと思う。
映画に一人だけ出てくる小松奈々ちゃんがとても好きで、ヒロインの亜豆さんとしてサイコーのミューズになっていて…最高だよもう、つまらないギャグになってしまうくらい、ミューズだった。思い出しても高鳴る(笑)
「待ってるから」という約束で、激走できるのだと思う。
「もう会えない」のシーンは、あれは亜豆さんなりの激励で、不器用に、それでも真っ直ぐに、あの時に伝えられる最高の言葉だったはずで、あの風が吹いて輝いて去っていく姿に、行き場がないくらいの気持ちが膨れ上がっているはずで、きっとそれは創作意欲だけでなくてもう意地もあるのだと思うけど、それがとてもまた純粋で気持ち良くて、やっぱり甘酸っぱくて、もう、いいなあ!!!って感じ。言ってること訳分からなくなってしまうくらい、興奮(泣)
エイジが二人の作業場を訪れるシーンも。
書き加えられた何本かの線に込められたエイジの気持ちと、プライドや圧倒的な悔しさやほんの少しの嬉しさ(あったかなと私は思ったけど)に、圧倒的な友情を感じたよ。表面なんかではなく、もっと奥の気持ちの共有。
あとは、工事現場の人も小学生も通勤する会社員もファストフードで食事する学生も、みんながジャンプを手にするシーンで、生活の一部になっていくんだと思った。ジャンプってすごいんだな。私も一回手に取ってみたくなった。
創ることを仕事にする人、一番になりたくて努力した思い出がある人、勝てないかも例ない戦いに本気で挑んだことがある人、きっとすごく響くんだと思います。
「先に行くから」
なんて、なんてね!!!!
【映画】桐島、部活やめるってよ
どっちも今更です。
学生時代の誰もが感じる違和感の中の同調、ものすごく普通の日常の中で渦巻いている個々の感情、それぞれの正義、無力感、頑張ったって敵わないと思う絶望、そういう一つ一つにぎゅっとなる映画。
私が桐島の代わりを任されたとしても、これが限界なんだと泣いて叫ぶと思う。
私がそれを見守る女だとしたら、限りない自己満足でも同じく付き添っていたいと思う。
私が居なくなることを聞かされていなかった彼女だとしても、自分の存在の意味を問いながら悲しむと思う。
私が桐島の居なくなることを聞かされていなかった親友だとしても、寂しくて一人で泣くと思う。
私が付き合う彼氏をこっそり見ている女がいたとしても、同じタイミングで見せつけてやりたいと思う。
私が絶対に叶わないであろう相手を好きになったとしても、遠くから見守っていたいと思う。
全て、高校生だったら。
今だったら、そこまで全身全霊でぶつかれない。
そんなヒリヒリする気持ちを思い出させてくれる。
私が自分の意志を貫いて映画を撮ったとしたら、強く見える者たちに立ち向かえるかな。
そして私はつくづく学生が主人公の映画が好きだなあ。どれだけ中二病なのかしら。
「ONE DAY」
この二つは、ちっとも響きませんでした。
前者はただの女たらしが(初めは)冴えない女(アンハサウェイ)を振り回しすぎてそれでも10年とか待ってくれてるものだからボロボロになった挙句結婚して(そこまでで既にものすごくむかつくしどうでもいい)、そこからはもう何か別の話。あんまり運命的な関係って素敵みたいなことは思えませんでした。初めっから大事にしろよって。
後者はジュリアロバーツのPVみたいな映画。イタリアインドバリと旅をするけど、本当に入り込めず、インドを旅行するシーンは一瞬も観れず寝てしまいました。でも瞑想は大切だと思う瞑想信者です。
最近、脳の切り替えがヘタクソになって、ちょっと息苦しいときがある。
休憩上手になりたいなあ。